鈴木雄介ブログ
2016年11月1日
森の奥、林の音
一 ビル
美しい幻想を追いかけていた。全てが正しい場所に落ちつくのを待っていた。だが、その時はいつまで経ってもやってこなかった。形は崩れ海は鳴る。林の奥で鳴く鳥は、向こう両隣なんの変哲もないビルの地下で永遠にしまいこまれてしまう。
二 森の奥、林の音
悪い時代、悪い国、日本の平成。勿論、私達の目の前にあるものすべて。
かといって我々はそこからぬけだすすべもない。ひたすら落ちこんでいる人みたいに。儚さ、むなしさを両手に、或いはそれすらなく、死に絶える。森の奥、林の音。
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