2015年6月13日

野原

君が美しい言葉で夢を語る間
僕は少し昔を思い出していた
世界はとてものどかで
家の前は野原で
そこで宇宙船ごっこをしていたとか
気づけば近代都市のコルビュジエが
僕の町をこわしてしまった
あの野原はなくなりはした
そこに生えていたすすきや
住んでいたばったはもういない
飛んでいた秋とんぼらは
時たまのこった僕の家の庭にくる
君の美しい言葉は今を語るけど
僕は遠い未来を懐かしんでいた