ひびきわたるほど
じぶんじしんのこえは
ほとんどとどきはしなかった
ぼくのつたえたかったことは
ひたすらちいさくひびいて
このこころのなかにかえっていった
だからはじめからなにもないのと
おなじにされてしまったのだ
ほんとうにつたえるべきことは
みなしずかにしずんできえてしまった
だからはじめからなにもないのと
おなじにされてしまったのだ
もしもういちどだけいきなおして
あのことばをとりもどせるとしたら
そのことばははっきりとてにはいり
ぼくじしんのいうべきことをつくり
つたわるべきひとへわたるだろう
にどとそんなことがおこらないとして
なぜかみはこのよにそんな
ひどくかなしいげきをつくりだし
ぼくらがくるしんでいるのを
ただみすえているというのか
だからはじめからいったでしょう
あのときにひきとめるべきだった
なにもかもておくれになるまえに
ひたすらそのこころをつかまえて
にどとはなさないようつかまえて
ただそれだけのために