2012年3月30日

音楽論

偶像的音楽、つまりある個人的芸術家によるその偶像性をあがめさせるたぐいの音楽にはまったくまなんだり、ならったりする価格がない。かえってそれによって人のよさが腐る傾向すらある。
 音楽が古来の教養の一つととらえられるにあたって、きわめて重大な問題がここにはふくまれていそう。乃ち、音楽が性愛の表現につかわれている場合は集団の中になんらかの不調和をあたえる。偶像的音楽は、どれほど古代にさかのぼってもすこしも尊ばれるべき価値がなかったろう。

 ある古典的救済または立派な理念をあたえる種類の音楽にしかその本来の用法、あるいはあまねき共感はないのだろう。