嗚呼そこに
なにかをおき忘れてしまった
でもそれをしりもしないのに
星ぞらは
もうはてしなくひろまり
いまではもろ手をこぼれて
だれの目のまえにもない
だれの目のまえにもある
そこでたわむれてきた命
その命の大いなるをしるがいい
いまではゆめにもないただの声
大雪がここで
くらしていたかぞえきれない
こころよき
あとにのこるのは
だれのもろ手にもかかえきれない
かなしみだけだ
だれがそれを癒し切ることができる
ただ目の前のおおうなばらが
はてしなくはてしなく
われわれの心のそこで
ねむりこけているあのたましいを
しずかにしずかによんでいる
大雪のふりしきるおおうなばらに
命のこえが鎮まる日を待ち受けている