赤坂の皇居前を低空飛行してくラジコンの鳥
その濁った水に映す荘子の魚は
プリンスホテルの瞬く窓を夜景に鮒の息をする
あの僅かな窪みの向こうに
都心に棲みつく特殊な生命体がいる
そいつらは遠くヤマトのクニからやってきて
なんでも金をごっそり国庫から盗むのが習性
ぬすっと野郎は底抜けに厳重な警備をする
棍棒もった黒ずくめの護衛が
ぎらぎらした監視カメラの隣りで睨みをきかせてる
僕は一羽のカラスとなり
そいつらの目の前をとおりすがる
大昔からヤマトでは
このぬすっとをなぜ崇めざるをえなかったのか
その家は凄まじい迄の悪なので
権力の為なら手段を選ばないからだ
あの堀の奥で日々国税から奪った私財を
無益有害に費やすヤマトの末裔一族は
この底抜けに複雑な首都のビル群に囲まれ
やはり自分が王だとでも信じ込んでるらしい