どこへ旅してみてもきっと
あなたはこの空よりほか何も
新しいものを見れない
小さな星屑のうえで
はるかな星空の向こうへ飛びこえる
いくつもの宇宙船はただ
夢空言を語る今の篝火なので
いきのこる命を彩るいくつもの花束
大地の底でねむりこけた疋蛙の子は
それがうそだと思うほどわずかな
春雨の音で目をさますところがそれは
小学生が庭へ注いだ如雨露の目覚まし
あなたが目覚めるこの地表のどこでも
まちうける藻屑になった海縒りの風
丸で現代がそうみたく
大体の物語は尽くされている
そいつらのいう偽善だとか儲け話
どうでもいい発情猿の同級生とか
そいつらの親ごと消し去るあの爆弾こそ
君の求める悲劇の源
要はこいつらの終りを
見届ける権利だけ託された使命
絶望しかない崖っぷちの真下
君は正しく死んで行くいくらもの
あの悪漢どもの人生を見渡していた
君は業の流れを見通しながら
なおもそいつらとは違うその頭で
大宇宙の片鱗に立つ理由を考えていた
あなたの夢なんてどうせ
みのがしちゃった裏番組くらいつまらないもの
誰に縋るにしたってここは
資本主義経済とかいう変な土地
どうせきづいてないんだろう
騙され利用されるばかりでなんの
見返りもないその奉仕などに
だれの感謝も慈悲もない
人は隠しつづけてきたどうでもいい
昔話を大切にしまいこんでのち
いざ開けてみたらもう中味はない
この世だって同じ様なもの
あなたはもうすぐ気づくだろう
どうせどの人も中身などない張りぼてだって
固まりきったちいさな星
どこへにげようと着いてくる今が
過去へと過ぎ去る雨足をおしつけてくる
もしなにもかも水に流せるなら
自分が立っていたこの地面をみなさい
あのおおうなばらの前になげだし
必死に築き上げてきた大都市のありかすら
底知れぬ闇の巌と化せばいい
溢れ出す清流の源こそは
ふりしきる梅雨の足取りと併せた
町合いの傘を叩く音
なにもかもめぐりゆきまたかえる
特段の理由がないこの詩さえも
大地の底で待つ比類なき法則のもと