2010年7月4日

機械

宇宙にわずかな隙間があって
人はひとり残らず納まるもの
ところが私はそれを見つける
彼女はわけもなく、手前で佇む
「あなたはなにをしているの?」と私は聞く
当然彼女はロボットだ。だから答えはない
「ワタシハシンデイクモノデハアリマセン」
私の目の前では
つぎつぎ人々が飛び込む暗い穴
底は見えず
ただあたりを漂う冷気だけが
私の肌を刺す
要は、私はロボットのひとりで
完全にまちがえてしまったプログラム通り
だれもが死んでいく世界の観察者
彼らには昔、理由があった
証に、ここには大量の書物
なにが書いてある?
へびの様な文字で記されている
なかみを読み取るすべはない
彼らには昔、理由があった
私はただ一人、宇宙の深淵が広がる
崖のふちで佇む者
人類が築いた文明の上で計画どおり
自由自在に踊り続ける子供
私は小さな宇宙の隙間で
長い髪をふりかざしながら踊り続ける乙女
だれにも覚られない小さな隙間
死に向かうベルトコンベアのすぐ隣で