2010年7月25日

水仙

誰からも忘れ去られた小さな花壇に
植えられた球根が水仙を咲かせる
雨足が去ったころようやく気づく
誰もみなこうしていのちを授かると
勘違いした試験の答案
どうせ人間なので
それくらい許容されると思えば
当然この世ではのけ者扱い
つまらない同級生とか
ほか諸氏多生
別に探してもないが
つまらない世界観
難しい理屈は抜きに
生きようとした少女は
あっという間に都会でおちぶれ
生きる屍みたく説教を垂れた
僕は中学で丸刈りにされた
面白いというか趣深くも
それを強要した教師は仏教徒でなく
僕らへ竹刀や足蹴で暴力を振るった
儚く小さな隙間
に見えるだろうそこは
数えきれない人間どもが流れさる
橋の上のキリストの産まれた日の夜景
大体に於いて
なにも見るべきものもないこの世だが
唯一そこで楽しげなのは
歩き去る小学生らのおふざけくらい
王様はすべてを見下し乍ら
勝ち誇った様に万物は
税収の為にあると考えていた
警備する武器を山ほど蓄えつつも