2010年7月28日

人の名

淀みなく染み渡る
宙ぶらりんの月あかり
だれにとってさえも
ここは心配された
くるくると回るそれだけの
横になったまち
月が回転してく
あなたのめのまえ
だからそうだ
もうきのせいだとおもって
社会のことはすぎさった
大昔の出来事だと思え
冒頭に記された真実は
あなたがなにも知らない事
肯定できるまじめな話題
なにもよろこびの上であるなら
その目的や仕業ですら
丁度わすれさってきた
うつらうつらしたねこじゃらし他
なんの留保もないが
さりゆく大地の息吹をきけ
この星のあおさをみよ
私達の底にある命の律動
それさえも大昔の物語らしい
私達の今にはもう
信じられる現もなく
ただ起きぬけにとびだした
潮騒とそこで遊ぶ風の律動
なにもかも大昔の話
どうせ十分みかえしてみて
わかることもない暗号じみた
遺伝子の足どりは文明に乗り
あのそらの向こうで待つ
大きな珊瑚礁の奥で眠る
僕が飼ってたグッピーの親に
子は元気でやってますと
果たして世話から解き放たれ
わずかな雨樋で溺れそうに
泳ぎなおす彼らの配列は
なにか重要なしらせなのか
きみはなにもかも虚しいと悟り
彼らを捕まえた野蛮人を哀れむ
大都市の夜景
そこでくらす幾多もの陸でもない
生きている意味も価値もない
害しかない経済動物を厭う
極東でうずくまってきた
彼らの一員ふざけている
きみは気の所為じゃないその
黄色く矮小化した生物を見た
そいつらとおなじ島で永遠に
くらす意味は価値とない
つまりは間違えてしまったのだ
うすらさむい両親のひざ元で
きみは倭人が理由もなく
数限りない明りを燈すのを見る
怒る意味が分からない
奇妙な猿を多く見た
他者へ迷惑をかけまくるのを
たのしむ低級な生命体
それらの猿は二足歩行だが
他はなにも猿とかわりない
辛うじて言葉は喋るが片言
フォークをもち御飯をかきこむ
軽蔑しろだって単に
自分とは違う生命体だっただけ
それらの猿は幼い頃
暴力と発情をくりかえし
僕の目の前で繁殖していた
おなじ人の名を借りながら