2010年6月14日

財政処方

人員削減によってすら政府の累積した赤字財政がぬぐいきれず国債に頼ってしまうという状態は、結論をてみじかにいえば「公務員の浪費体質」が景気の底抜けになっていると示す。
儒教の風習が上と自らをみたて、人民からの無制限の搾取を正当化させたがってきたのは、絶対主義が中央集権への経過で要求された時点での合理性にすぎない。
より端的にいえば、行政員を含む公務員が省庁内や社会で給与所得を特に注意せずに使用しつづけると、赤字国債の累積が将来世代の国民の適切な債務感を壊し、結果としてはふみたおしを前提とした侵略戦争遂行目的へと責任を転嫁する独裁者型の労働者代表が政権を奪いやすくなる。

 もし現時点で深刻化をさけたくば、次の施策が最も有効。
 まず公務員の削減のみならず、有効需要の拡大の為には「金の溜まり」となって全体の景気促進をそこなっている大企業群から想像できるかぎり最大限の法人税をうばいとらねばならない。
もしこの法人税収がないままで有効需要の促進政策をいくら行おうと、消費者そのものが使える金銭をもっていない時点では奉仕労働の過度に陥るほかまったく景気回復効果はない。つまり労働者群を奴隷化するに終わる。
 つぎに得た法人税収の過半を、社会不安の軽減となるできるかぎり公的耐久財となる投資へあてねばならない。より簡明にいえば『大企業法人の箪笥預金を民生分野へ投入』するを得る。この結果によってしか、偏りきった金銭が消費性向のある生産者へ還元されることはない。
具体的には成長産業なのは疑えない宇宙開発や科学技術の創造的資金を、冒険企業の誘因として需要開発するのが賢明。さらに詳細には将来の民営化をみこした前衛な研究所の設置、省庁ならびに公的部門へ設ける最新機器の競争発注、発明助成の為に懸賞制度を予算ごと透明性を最大化しつつ民間委託する等。

もしも以上の施策が不可能か理解不能のため現政府が意味のない法人税の軽減などの愚策をつづけていけば、まちがいなく超少数の大企業上役以外には貧困・労働貧民化・再構築の被災がうたがいない近い将来となる。
そして政府自身は、感情的となった有権者、特に女性の目先の損得計算にけおされて、赤字財政を先行きなく延長させる擬似福祉国家化、いいかえれば公的費用で教育・民生・介護を全面的に特段の計画性なくまかなわされることになり、国際的には財務と文化学術への預金の両面から無限な将来世代への負担増をなんともおもわない知恵の足りなかった足手まといのために勢いをなくし、後進ならびに中進国へ転落するだろう。
より直截にいえば社民主義国としての面目を中途半端な迷い人の姿としてますます露呈するに終わり、先進諸国の企業活動から陣地ごと侵略されゆくだろう。
 経済学の感覚があまりすぐれない反論者は、法人所得の増大が相対的縮小市場下(つまり急速に工業化されすぎてしまった開発速度のおそまった国)では必ずしも消費主体の単位な家計へもどらないことを見落としている。再構築を本来と異なった意味で用いている習慣をみよ。
修正派の洞察は、「管理価格下での寡占法人の独裁化」をみおとさなかった点では先見的だった。もし法人税の考えがなければ、企業の構図は流動資本の絶対量を限りなく減らす。学的に極端には法人の国家支配とやらに至るだろうし、それが公共の定義となりそうにない。