2010年5月10日

宇宙のへり

海豚游ぐ鯉幟
皐月晴れわれの游ぐ空と川の浅葱色
暑さぎらうつゆの武蔵はこぶしさく
ビビってる大阪やくざのうろつく東京都
なつかしき京のそらに空気の香
音楽のために過ごす若さ過ぎ行く
育つ程かわりゆく小さな町と運ぶ雲流れる
進化する我の心と日本の立つ瀬よ
舳先へさきの音は鋭く海を切る前衛
すでになき過去の印は音もなく青く染まる
戦えと我を教える理性
駆り立てる先へ先へと走る騅
誰も見えない闇の奥へ澄み渡る時空からの音
我の見し國の隙から生まれゆく音楽はるか響け
日の立ち上る音を聞く宇宙のへり
理想は消えた
海の外へ走り抜けるよわいの風届け
何事も終えて降りしく春の雨そこのしれない理想を見にきた
変わらない調和した街の香りを聴く休みの日
どこまでも流れゆく多摩川の音耳を過ぎる今だ
雪の降った水辺を走り抜ける若さ
どこへ旅だとうと若く宇宙は果てない
山あいに訪れる公転周期は桜を咲かせつづける
プール上へ降り注ぐ雨の様なさみだれお昼すぎの光
生まれかわる己はつねに帰ってくる季節もうない印
全世界を斬り捨てる大声の敵意だけ神の戦いが喚び寄せる
ないもの何もこの世に戦え