2010年2月1日

物理学

ロジャー・ペンローズによるねじけ理論の空間は、二方向性か双対さを含む故に複素空間の虚時間が十分それ自身に内部化されておらず、この点で七夕宇宙の創製にとっては未知時間を設けられるにすぎぬ。それは型としては庸視世界の体質を言い訳できる故に説得され易いものだが、虚時間は別の宇宙系との折衝の喩えだから、拗けさせる意味はない。量子概念と時空概念の間に同じ運動法則が支配せねばならぬ訳はない。それは微化学と天体物理の間には規模の論理が働くからだ。それらを同じ法則にまとめる必然性はどこにもない。西洋物理の近代性は絶対法則を信仰してきた様だが、全て論理法則は比較的な精確さを穿つだけ。それらは現象の比喩だが代数学記号のあてはめにすぎず、抽出して概その予測をできる仕事の機能。
 拗け空間は双対性の当て方をホーキング流の虚時間概念に付け足したものだが、双対性は実在せず、複素数面と同じく数学上の空間量としてだけ定義できる。つまり拗けは天文にではなく、寧ろ数理に貢献する概念だ。カントの純理を冷静によめば四次元超過の世界構想は理性にとっては無意味だと悟れる。それは理念界に及び、感覚では認知できない。だから数理型として推論と計算の結果消滅する項としてなら使えるが、物理概念にはできない。実証できないので。時間の停止を暗窟の特異点へ宛てると、虚時間はそこに落ちた現象の行き着く情報場であると考えうる。情報の洩れは暗窟が分解する秩序をほぼ完全に平坦な時空へと還した時に発生する。そしてこの情報量は既存の空間内にあった有機段階による。もし無機物が落ちても、それはかなり瞬時に引力場の元々あるべき平衡さへ還されるのに手間取らない。なぜならそれらの結びつきは情報量として単純で、引力収縮による圧縮でもほつれをつくらないだろう。殆どの有機物はほつれを起こして情報場にある偏った波紋を投げる。これは虚時間にとっては
A=R-c‥秩序ほつれ
A: 引力場の地平面積
R: 宇宙半径
c: 当光速
の中に
ι=p-t‥虚時間の場合の数
が、
A×Σ[n=b, n→n+n!](n)ι
n: 有機体の出現率
b: biomass、生物量
の数だけ引力との取り引きで後退する間に、空間量の中でその潰しが行われる証。もし実験でこれを確かめるなら、単位細胞を有限回の虚時間試行としての強い引力場へ落とせばいい。その結果、消滅した情報量が再び外部へ平坦になった空間、つまり拗けのない量子衝突効果として弾き出されるか時間通りに再び出現するかでこの虚数の地平が計算上妥当かどうかを調査できる。もし試行が、ある時間後に現れた以前と同じかその過去を移した情報量が示されることを明かすなら、この虚空理論は拗け空間は実在するのではなく、時間移動の基本公式であると考え直すのが実直だといえる。つまり感覚直観によらない間としてその複素数をあてた空間概念を、流れる時間の無視によって理解できる。