2009年12月28日

アオゾラ

お月様の上に幾多もの星屑がふるぞ
うらゝかな休みの上にまばゆい流星がふる
旅する夜の前にはまちうける木の実が
木苺のざわめきが積み上げた稲穂が
鈴蘭を鳴らし数え切れない月夜を回す
あなたは携帯の待ちうけにしずやかに
つる/\とした流し素麺が流れ込むのと
真夏日に杉林の奥で
茶店の赤茣蓙へ運ばれてきた
なんの曇りもない真っ透明な葛切りが
おゝぞらのさなかへとけだしたのを
やがてはすべての水色と共に見る
至って古風な何の取り柄もない穏やかな
古川のほとりに咲くアオゾラソウであれ
ハコバであれダイコンの花であれどこも
既に神の手の中で十分に考え込まれた
決して二つともない永遠に一つだけの夢
勿忘草が闘うのかさえも
誰も知りはしないとして