2009年10月30日

かえるの歌

儲からないから辞めてしまえと言った
そしてひきガエルの子が游んでいた緑一面の田ん圃は
あっという間にひろすぎる郊外型店舗になった
自動車の排ガスで息をつくひまもない稲よ
別に望んでもない
死んでいく自然の声なんかだれも聞こうとはしないもの
幼稚園児がたんぽぽの咲くあぜみちを仲良く歩いてた
その光景はコンクリートの広告で囲まれてしまった
大人になるってことなんですとまだ若い支店長は言う
客より店長のほうが偉いですそう習いましたし
テレビの中の大都会から湧く見たことある様な無い様な芸能人が
着飾った豪華ぶった衣裳で青少年をどんどん誘惑します
金が回れば死人が増える
売りまくれと上司がいうアメリカだって
どこだってやっているうちだけ損しちゃ損やから売り捌きまくれや
私はそのうるさいひとこえで潰れた犠牲者の
墓場の前であのかえるたちの歌をうたいあげよう
もしそれを聞くのがいつかのこころやすらかな詩人と
僕の目の前で遊ぶすなおな幼稚園児たちだけでも