2009年7月7日

人類社会の進化誘因

生物の社会化は彼らに協業の誘因を与えた。形質の分岐が働くのはこの社会誘因による。獲得的それのみならず遺伝形質そのものが大幅な種内分岐を伴う場合、効率に関わる質の異なる適所が先に形成された筈である。進化と我々が今日呼ぶ作用は実際には環境変異へ適合した突然変異を含む形質の選好が順次に集積された事による。だから進化は環境適応の結果であり、突然変異そのものを原因とするのではない。
 極めて首の長いキリンが突然変異で生まれても、その場にもし身の丈の低い雑草しかなければ新種形成には至らない。突然変異の一定の出現率に対して、場の変異は移動と定着の連続した経過を含めてずっと程近い周期で起こりやすく、殆どの進化の直接の原因となる。もしそこには雑草や低木への激しい資料争奪戦の為に潅木高木の余りしか期待できないと仮定すれば、その支配に秀でた首の哺乳類がより遺伝的形質の面で進化的となる環境誘因が存在したことになる。
 同等の成果を、我々にとって動物類の異種間に相当する程の大幅な形質分岐の為に人類社会への誘因調整として適用すると、そこでは明らかに物珍しい風習が存在していなければならないことになる。そしてこの風習の珍しさが極度のものならばそうであるだけ、選択的に淘汰される種の性特徴及び形質の方向性は特殊になることができる。
 もし人類が高度の進化を望むなら、社会を一様の法律で縛るのではなく、できるかぎりその地域の風習に沿ってできるかぎり互いに相違った社会習慣を醸成させることを勧めねばならない。協業能率がその要員間の専門化の程度に依存する以上、社会進化の法則もまた、徹底的な風習微分へ、種内分岐の最終決定権を与えている。たとえ極端に普通趣味的であったとしても同等だろう。もし圧倒的な競技選手をはぐくみたければその場から学問勉強の類は締め出さねばならず、もし至高の英知を求めるならいかなる労働階級との接触も無用であり、もし大商人のはてしなく欲深い血統をのべるつもりならその場ではかりそめにも政の話題など禁句でなければならない。単に一家庭のみでなく、地域地方全体がこの形質特殊化の趨勢へ協力的なら専門化の効果は如実に現れるだろう。