明け方の町をのべていくうつくしい雲がお日様を照らし出してくれる
この世へ暮らすものへあまねく染み渡るあおぞらの色よ
どこからか迷い込んだ蚊のむくろを土へかえしていく手が
なにものも知らずに流れ去るのが祈りだとは知らずに
ただ一人であれ世の中のまことの姿を見よ
どこにでもあるそのいつくしみを
われらをのべたまいしもののまことのかしこさを見よ
なにひとつとして欠けたところのないあるがままの御代を
お前を生み出したものの底知れぬ深さを
そしてもし失われることがあろうと
その夢はさめて
ただ晴れわたるそらのあおさが涙の跡を
とこしえの海へ融かしこんでくれるだろう
なにもかもがおもいどおりになる
そう君が知れば
いつかの日暮れのなかで沈んで行った
誰にもわかりえない疑いごとでさえも
わかりきった答えのくりかえしのなかに
みつけられることになるだろう
だからおもいわずらうな
目の前の問いを捨て去って
ときのながれに身をまかせるほど
遠回りをさせる行いはないのだから
よのなかのせめぎあいのなかでつらいおもいをするほどに
ただ明け方の空のあかるさをからだにおさめることができる
人という生き物がみな去っていったあとでもやはりここには
底しれぬ海のしじまが誰か
そのかなしみを引き連れて旅をつづけるのにみちたりた汐の騒がしさが
まちがいなくわれわれをみちびいてくれる
尽きせぬ川のながれがある
それをたどっていけばかならず海へ出るのだから