2009年6月19日

東京政権への諌言

防衛庁の増長傾向は、今後の日本国の舵取りにとって大きな邪魔物となるのが間違いない。

すでに平時にあってもかれらの上官の命令を無視しておのれらの非力な知能で暴力性の誇示を正当化する者が幕僚長をしていた危険きわまりない不良組織、というのがその本性なのである。また、人類史がはっきりと歴史上に示している様に、指令系統と軍事系統が完全に分離していない政体は早期に暴走し、国内では実力行使で威嚇しながら謀叛を企てて独裁制度を敷き、外国へはかならず出来合いのイデオロギーで武力侵略しはじめる。

有事に現防衛庁は首脳の命令をまったく聞かずにおのれどもの独断で交戦最前衛の武力進攻を進めるであろう。なぜならば、平時にあってすらなんの大義名分もなく、文官の令を批判し且つ根拠のない武備の強権を主張して甜として愧じぬのが事実のありさまなのであるから。

 私は一国民としてわが国府へ諌言する。
「防衛力のすべてを警察庁の内部へ取り込んでおけ」、と。
(なぜならば国内に最大級の二つへ武備を分けるということは、それらに事実上の争いを許可しているのに等しく、その止まざる競争心はしまいには必然に実力行使という最終事態に至るであろうから。)
 そしてもしこうしなければ武力のみを頼って生き延びてきた血統を持つ武官は、何度でも懲りることなくおのれどもの無謀さを‘野生さ’というアナクロニズムとなった性的魅力の挽回とするためだけにでも、機会を捕らえて国内外へ暴力行動を働きつづけるであろう。
そして同一種内のお遊びならず甘えの許されない異文明間衝突の世界史は、作戦上の知性に欠損のあるかならず敗北する国手へは決して繁栄の恩恵を与えず、場合によっては人類として最大の特徴である知能に劣った血筋ごとまるきり殲滅してしまうものなのである。
――カルタゴやインカ帝国そのものの地上からの消滅を見よ。圧倒的な科学文明からの征服へ無謀にも反抗したインディアンやエスキモーやアボリジニの致命的衰退を見よ。国力を文化差で果たした幾多もの中華帝国をとりまいた無数の異民族の名もなき興亡史を見よ。
逆に、我々は確実な勝利が臨めるまでは教養人による慎重な外交策謀と知者階級の公認のもとで国内武力を一握にした議会主義により代々国政を司ってきたアングロサクソンとその遺伝系統が、学術と経済の両面でさえ最も繁栄しているのを政治史上、現実に見ているのである。