2009年6月19日

現代経済学からの公費分析

製造業の観点からみれば、その業種を主に三分野に分けられる。すなわち「衣食住」である。
(工業生産には軽工業と重工業とがあり、それぞれ衣と住の部品以上のそれに当たる。情報産業とは基本的に住宅の装飾に関わるそれであると考えられる。建材用の林業を除いて農業水産と食品加工は食のそれとなるだろう。)
これらの物資をもっとも経済的に供給すること、つまり最も安価で質量豊富に流通させることが製造業の使命である。

 先進国同時不況の最大の原因は、おそらくこれらのどこかの流れが堰止められていることに求まる。新自由主義の学説そのものが改めて洗い浚い批判しなおしているケインズ思想の‘大きな政府路線’への疑問符は、結局これらの製造業上の原理原則にもとづけばまことに正しいのである。
いいかえれば、大きな政府の弊害として可処分所得の流路をみずからの懐へ引き込もうとする我田引水の悪意がどこかに蔓延るということだ。そして一般の貴族政治がその階級の支配率をのみ優先して私腹を肥やした例は歴史にいとまがないので、我々には有効需要拡大の名分に隠れて各製造業界と癒着し議員票を稼いでいる様ないわば“賊議員の蓄財”を否定しきれるものではない。
 結論から言えばハーウ゛ェイロードの前提条件にはかれら賊議員の選良主義といった大きな欠陥が隠されていた、と言われねばならない。我々の採用している資本主義経済がシロアリに食い尽くされるか、その駆除を最終的な主人の決断とするかは国家の傾きが共産主義国家のそれよりも進かどうかに待つ、迄のぼんやりとした経済観では間違いなくジャッキアップした新興工業国の生協主義に鼻を明けられるに終る。純血種といえども競走中には油断ができないのはその勝敗が結果で決まるからである。

この様な訳で、先進国が現在の不況を完全に脱する為には誤りなく、可処分所得の回復措置として「賊議員の排斥」という選挙改革が必須となってくる。
賊と呼ぶのは、かれらが身内の利権を優先して不況の原因となる蓄積私財を肥やす目的で立候補するからであり、しかもかれらが殖えればふえるほど、現実に不良所得という単なるハコモノ行革用の資金が余るだけに終るのである。
なぜなら彼らは製造業にはなんら直接の貢献はできないが、我田引水だけは計って全体として国内経済に流通する流動資本の総量を減らしてしまう。そしてもし技術革新にも関わらず不当な物価高が続くとすれば彼らの私腹がゆたかな代わりに国民の実際に使いうる現金よりも製造品の市場価格が高すぎるからなのだ。
 我々がこの国家のシロアリを駆除するために必要な唯一の方策は、『公務員会計の全面公開』だけである。もし清潔かつ正直な動機で公共福祉へ奉仕している侍ならば、これで困るところはまったくないばかりか却って国民の味方としての名誉や揚げ句には好況による税収増大が見込める。