2009年6月11日

生産量

悪魔の様な人間達と
一緒くたに混ぜこぜにされます
それから塩と胡椒で隠し味で
あとはレンジでチンするだけ
簡単儲かる会社のつくりかた
さあゝなただって
そこのやる瀬ない君だって
お金が入ってくればきっと薔薇色の現し身が
快楽と幸せと成り上がりの哲学と共に
伝説になって郷国の碑に刻まれますぜ
旦那どうしたんでい
なにか疚しいことでもあるんさいな
どうせこの世は一時の夢枕
なにをかえりみることがあるってえことよ
少年は
東京の世界を冷たい眼差しで見つめる
そろそろ城へ帰らなくては
いつまでもこうした人達の
お遊びにつきあっていられる身の上ではない
視察のつもりが
とんだ遠回りになってしまった
おそらく何の道徳も持たない階層では
いやおうなく卑しい性格が必要なのであろう
少年は
客寄せに引かれて赤々と輝く盛り場へ釣り込まれて行く
数知れない人間集団を通り掛かりに見物していた
商売の為だけに命を真当するのであろう
それらの生産量を