2008年11月24日

経済系の道徳目標

この壮大な宇宙の片隅にある惑星に花咲いた文明のもたらす際限なき眺めの、本当の目的は何だろうか。少なくとも我々がそれを今日に於て知り得ないという事情が、明日にも我々がさらに緻密な社会秩序を通じて生態系の上へと、全く以前と異なる才能を育てあげねばならない使命感の基か。経済活動が動物に否応ないある程度の功利性にも関わらず文化毎に組織立った互恵体系の追求と調和の努力によって、副次的に適所の増大を自然一般に与えるという事実は、この様な哲学的目的観にも合致している。明け方に鳴く鶏は人間の為にだけ躾られるのではなかった。
 知識がヒントを授けるとして、道徳だけが人間の理由を形作る。この為に、考える力を社会全域へ啓発することが、未だ不完全な文明段階の今の日における漸進的目標となる。与えられた課題を闇雲にこなすだけの機械化された生活から脱け出て、自律した思索の能力を広く開花させることを通じて、世界の形相から期待される最高の善意を正直に懐ける人間が、現代の倫理命題なのだと考えることはできる。そしてその様な人間達の社会体制上にしか、宇宙の理由を昨日より完全に認識できる未来も到底叶わないこととなる。教育は学問の習慣をつける手段ではあって、人間自身があまねく教育化された場所ではその相互啓蒙理念自体が当たり前の日常となる様に。