2008年8月21日

数学及び天文学

単位量あたりの掃除分を示すニュートンの流率法を幾何学に宛てれば、我々は流率幾何という新しい学野を切り拓ける。そして微積分の基本定理は、実は幾何学的にはこの動きのある図形つまり動態を数理的に記述できるが故に役立つ手段であったと分かる。ここで流率幾何とは動態力学の端緒である。Sとxの流率をdSとdtで表すと、この関数y=f(x)は一単位量あたり
dS/dt:dx/dt=y:1
の割合で変化する。即ち
1(dS/dt)=y(dx/dt)
(dS/dt)/(dx/dt)=y
よって、
y=(dS/dx)
つまりある単位面積dSの掃除分を、xの流率dxで微分すればyという関数になる。これはライプニッツの微分記号を用いて記すと
d/dx∫[0→x]f(x)dx=f(x)
 また、流率幾何の原則としてこれは求積法と等価と考えて
S=∫[0→x]f(x)dxより、
掃除面積Sはy=f(x)という関数をxで積分した値に等しい。以上で流率幾何の原理を表記できた。
 こうして我々は微積分計算を利用して、少なくとも幾何学的に整理され多少あれ単純な動態を数式で記述できるだろう。例えばケプラーの第三法則すなわち調和の法則はGM/4π2で省略表記できるが、f(M)=GM/4π2を掃除分Sで表すと、
S=∫[0→M]GM/4π2
=[GM2/8π2]0→M
ここで、Mを単位量1と置けば
S=G/8π2
即ち惑星の楕円軌道に於て質量Mの流率はG/8π2の割合で増減する。これは少なくとも巨視的な系に関する調和定数と呼びうる。質量あたり一定の流率で、如何なる惑星系ないし万有引力系もその離心率に関わらず運動するのだ。