全ての学位は学問の奨励賞に過ぎず、どんな特権も社会的に付加されるべきではない。全ての知識が大学にしまわれた場では民間に学問慣習が広まる事はありえず、永久に科学民度は低い継である。そして愚民の国は対外的には最弱で、文化的には蔑視の対象であるしかない。
何より学位は既存潮流上にしか与えられる余地をもたない。よって、革新的業績に賞を与える事のできる実存は同時にはありえないのである。こういう成果は常に学問の進歩がそうだった様に、充分な時間が経ち、周囲がやっと意義に感づいてから評価され始めるだろう。学位はだから学問的意義そのものとさえ必ずしも相関しない所を含む。それは飽くまで「奨励」の意味以外を持たせてはならないものだ。