2008年6月6日

人類の脱構

人類は類人猿の変種でしかなく自然の一部だ。我々の到達した文化の程度は、我々の後続の生物にとって正反両面から参照にされるだろう。実際のところ、本能を引きずる我々人類が完璧な理性を獲得するものではない。我々はみずから人類より優れた生態圏を確保できる生物を欲する。
 それが遺伝子改良か機械化か或いは両方か微妙な混在かは不明だが、兎に角も人類は類人猿から多少は誇大した大脳皮質という面でしか違わないし、より偉大な生命体から見下せばチンパンジーと本質的には同一の目に分類されて然るべきだろう。
 カントに諭せる、我々は目的ではない。そう考える主体があるだけだろう。人格は崇高の前に平静する限り尊厳を辛うじて保つ。そして自然とは常に目的である。文明とは倫理的に昇華された自然に過ぎない。