2008年5月16日

季節

朝起きるのが辛い、と言う人がいる
彼らには答えとして知られた、どの様な現実が見えたんだったか
次々に移り変わる風景。風景に属する自分をどういう生き物だと思ったか
所詮、どの瞬間も失われ行くものさ。どの朝も。どの夜も
あちこちで営み出されたデモクラティックな景色に、でも、移ろい変わらず残る何事もない
この世では変わらずに留まる何事もない
毎朝急いで家を出て行く幾多の民衆を見よ
彼らとて何らかの責め苦を背負いて自ら老いて行くのだ
彼らには世界はどう見えるのだろう。世の中は待たぬ
民衆政治を信じて互いを見ようともしない多くの感情生活者。電車に乗って、眠ればいいのだ
既に春も遅れ、梅雨になるだろう。高校生の君は薄曇りの交差点を写し世の真実をかわして歩き去る
どの瞬間も過ぎ行く。君が見ていた風景でさえ