2008年3月20日

自然壊し

昔はうつくしかった川も、捺し並べて汚れてしまった。
なんの為に近代化したのだったか。遙かに、海辺に漂着した芥の山を診ても。
西洋人は我々を笑った。
だが、自然はあなた方を笑うであろう。
彼方達の為した行いが正しいと信ずるな。
神様の至高の叡知こそは、僅かに預言者を気取る人間如きの如何に浅薄なるかを辱めにより、償われ賜う。
人間の知識がどれほど有限なるかを想え。
軈ては御前達みなを消滅させてしまう力の崇高なるを知るなら。
御前達は何れ悉皆、偶然の水面。気付いた時には途切れてしまう縄張り。陽炎。
数え切れない昔の事が一鎖もたがわず今の御前を作る。為れば未来も然り。
あらゆる因業により御前達の祖先もこの世に繋ぎ留められし飼い物。
それなのに、どうして逃れ切れる筈もないだろう。
止むを得ない雨の下で理想を夢見て暮らすばかりに。
何もかも世迷事の道筋を逃れて歩む調べもなく。
為らば彼らを放っておけ。彼らが自然の手痛い反撃に遭うのを、冷たい眼差しで放って置け。
自然は壊せない。まるで宇宙が何もかもを含む様に。