人間ほど醜い生き物はない
だが君は又人間なのだ
凡そこの世では何もかも夢に等しい
人は記憶の中に生きる
そしてやがて失われ往く
あらゆる時代が患う病を君は又おぼえる
況してや何を指して回復と呼ぶのかさえも
ひたひたと沁みる雨傘
昔話の中玄関に待っていた
一輪の野菊
もう直ぐ雨は止む
暫くは待ちぼうけ
旅行く人の声がする
移動して
インドの道端に鈍い陽射し
瓢箪や
鋭く尖った
エスカレーターの流れに併せて
向日葵の商売
次々と名づけられる模様
甘やかすくじらが潮噴き虹が出た
南海探険今日も順調
都会の昼間爽快な青空屋上庭園けれど排気ガスも酷い
房総半島に半導体が落ちた
ボートを漕ぐ小熊の大将それ行け
薬草にホイミをかけて願うことは
彼方の目に映るのは
現象の底で待ち合わせかもねとぞ侍める
光の約束を見た
すると一日が始まった
指輪はもうなかった
夢枕に落としてしまったから
ただの戯れでしかなかったが記憶に残る物語は精彩を欠くのに
新しく人生は何もかも前世の因果のままに始まる
何しろあなたは新生児なのだから
目覚めよ
そして地球の一員となれ