君はどうして去ってしまったのか。
あとに残るのは波跡だけ。
様々に多彩な記憶が、寄せては返す波形に敢えて、比べるべくもなくして。
第一に、我々は不運だった。
だから付き合いもせず、唯徒に時を費やし、二度と出会わなかった。
手際良く人生をこなす気分はどう?
既に、為付いてしまった作業工程みたいに、何の味気もない日常を手繰り寄せてる。
鴎たちは変わり映えしない砂浜にいて、中空を求道僧のように見つめている。
曇りぞらが復たやってきて、想いを残らず強い雨で、押し流してしまうでしょう。
私の気持ちを知るはずもないから、遠ざかる日々をただいたずらに過ごしている。