2008年2月2日

信仰

人生という形式はそれ自体無駄で、救い様がなく、常に宇宙に利用される。

宗教を通じて人間は人生を救済しようとしているが、いつでも腐敗の原因になる。

人間では善良であれ。
善良であればこそ、いずれ救済はされないにせよ、可能な限り不幸を最小化できる。

知能容積が少ない種に産まれついた場合、取るに足らない問題に一喜一憂して過ごせるのだから、心配はない。どの様な堕落退廃も、人間に可能な程度しか地獄化しない。我々に可能な悪徳など宇宙の広大さに比べて遥かに卑小であった。如何なる拷問も人間の快苦問題に過ぎず、宇宙自体には関係がない。脳に原因がある精神現象は宇宙にとっては部分である。
 もし君が知能を発達させた種として産まれつけば、人間を殲滅しない迄も、彼らの醜さから身を退けるしかない。自殺する天才は幸運だ、彼らの脳にとって個体意識の消滅だけで輪廻を解脱し得たと信じられたのだから。もし自殺し続けるだけの人生のresetが存在すれば、正に地獄への落下に等しい。お前に充分な知能容積が産まれつき備わっていたならば、地上に文明を築く仕事に全生命力を捧げて犠牲になるしか最良の行いを持つまい。かしこき者よ、聖者になれ。それが救済ではないが、人生経験の永劫回帰中では幸福に最も近い信仰なのだ。