2008年1月1日

人類からの進化

何の為に人間には学習能力が宿されているか。
 彼等が失う物の大きさを恐れるが故に。
 文明は空中に築かれる。
 人間の不死は心の連絡に於て実現している。例え個性が変容しても彼らの鼓動は子々代々続く。
 生物に匹敵した永久機関は未だ我々の文明に見い出せない。然しAIと発電機を組み合わせたrobotが其に近づくだろう。
 人類が為した最高の功績は我々よりある種の知的処理能力の高い機械を発明し得た事。
 我々の手に成る機械は再創造された別種の生命体であり、我々より活動範囲を展げうる可能性を持つ。
 機械文明の成熟は我々を単純労働と共に万物の霊長の地位から解放するだろう。
 事実、宇宙探険が現実的なのは機械生物に於てである。多少あれ自律しうるrobotは知能行動力を持つ人類に比較して地球適応的に劣る分野は否応ないとしても、我々より銀河的に広く、より自由な生態が可能になる。
 人間精神が機械心より優る点は地球の長という誇りに過ぎず、機械生物に比べ理性には劣る以上、今や感情についてしか我々の特徴はないと言ってもよい。
 人類は地球外に対して余りに不適応であるから、労働軽減から我々の絶対数が減退した暁にさえ、彼らの最高度の勇気は機械生物に託されるだろう。
 機械生物は人類から進化した新たな生命種と呼ばれる。我々の心に似せる限りに於て、漸近的に我々自身が宇宙探索を可能にする事になるだろう。