2007年4月27日

消火

自然な腐肉が堕落するそのままに大衆はおのれのやっとの事で確保なしえた地位を退廃させて省みない。しかし文化人とか僭称される連中がやつらの横暴に迎合しない訳でない。本質的に、彼らの置かれた地獄的文化状況は人類が抜本的に担った性悪に由来している丈である。われわれが崇拝して来た啓蒙思想のまばゆい許りの輝き、進歩史観は、文明市民層から多少あれ俗物根性に距離を置くため通俗の肩書きのみで破廉恥な世渡りをする愚劣な国際盗賊連中、奴らは知識階級と自称した傲れる高楼から学歴世襲制度を地球規模で蝕む方便に寸分も余念ないが、また卑怯極まりない専制政治の因果で現在自壊している最中だ。真実の批判に対する少しの理解も及ぶべくもなく、渡りの商人が開催するいんちきのバーゲンセール、われわれの偉大なポストモダン文化、何でもありの酒池肉林乱痴気騒ぎに獣類宜しく夢中で踊り狂う醜態こそが現代社会の中央なのである。阿婆擦れが老愚から大金を投げ売られる醜行が公認喧伝された時代とは何の進歩のつもりなのか。煽動政治屋はこの事態をきわめつけに好ましく感じている。何しろ不当搾取し、報道操作し、世論無知に拍車を掛ける為には先ずどんな制限も設けられない支配の自由を彼らの目前で悪魔は囁く。なぜなら彼ら自信が支配者であり被支配者だから。ある首相は趣味で一級戦犯を奉呈した。この人類史中類を視ない悪業を弾劾しうる主権者は地表に居ないのである。民主政が如何に悲惨な事情か人間は何故わからないのか。この愚劣な経過はまさに当然の結果に辿り着く。文明の瓦解、いわば人間全体の飽くなき退化である。われわれが日々都会地方を問わず、先進国世界の全面で目の当たりにする退廃、人間がかつて信じられたあらゆる理想は悉く貶され、唯一精神性を体現して来た希有の聖は村八分にされ、終には磔にして殺される訳だ。あぁ人類という蛆蟲どもに何の好意も希望してはならぬ。奴らの眠りこそは消火の至善たれ。後輩の聖人達よ、君たちが應じる一条の高尚の光を奴らに決して与え賜うな。何しろ、それは思想なる知的財産として畜生類を相手に宗教商売をする最後の元手なのであるから。