2007年4月25日

人間原理の批判

彼らの繁殖活動に理屈をつける為に神を持ち出すのは古代の倣わしに過ぎない、と私は思う。生物は秩序へ向かう。有機性つまり自律的性質は宇宙の多様観に対する一形態系である。従って、我々は有機体の分化先弁として分類されるべき形相の一類に過ぎぬ。宇宙の混沌は自然と同義。その最初の崇高な一撃を神格化して棚上げすれば満足できる人物は哲学より神学が向いている。対象が発生したのは自然の理由に等しい。混乱を避けるには、かの形而下的設問を形而上学のそれに混ぜ合わせるべきではない。
 断じて自然の理由は人間ではない。なぜなら過去を省みて未来を予想しうるかぎり、宇宙は人間が絶滅しても存続して行くのだから。