日本の都市は戸外空間を回復しなければならない。風情の原因は季節風土における四季の快適さにある。実際、そこへ最適化した暮らしは最も省エネルギー的でもある。太陽光発電や熱電併給による産エネルギー的工夫と同時に、環境汚染を避け得る代替発電の開発迄の国土養生は、この風情都市の建設へ向かうもの。動力化と高密一極な都心集積とは日本の居住環境を悪化させるばかり。これには近代化にまつわる必然性もある。例えば建築敷地の接道義務は消防車があらゆる土地で活動しうるように工夫されている。
もし巨大へ向かうみやこの内部化でますます灼熱化・機械化・非人間化する都市環境へ改良の余地があるなら、それは個人資産を含む国家資本の自動的生成に対する批判の提言でなければならない。都市計画者をふくむ建築家が目指すべきは福祉を目的とする温故知新計画の提案によって世論を啓蒙する事である。