真理の定義を問え。善美とは文脈価値の対比的高級性でしかない。真理も又、相対的かつ暫時的な道具に過ぎない。潮流論とは道具説の史的還元である。ラッセル記号論理学を始めとした数学基礎づけ潮流は、デカルト以来の懐疑傾向が地球人類に及ぼしたまなばれるべき形跡を実用化した結果、
機織りされる思考性格の謂いであった。あらゆるscienceは時代潮流に対する知識だ。地動説が有効なのは太陽系中心的天文学認識が探索の基本だった時代にのみ真理であった。一定不変の真理はない。それを仮証し続ける経過が人間にもたらす啓蒙の威力についてのみ、科学は適度な信仰に値する仮説性を保つ。