2007年4月29日

建築論

2007年現行の建築基準法では、採光用隣棟間隔は現時点の普請についてしか適用されていない。従って、あらたに目の前に建つ建造物が既存の周囲環境に如何なる迷惑をかけても利己なら構わない状況にある。これが新築高層マンションと周辺住民との確執原因となっている。このまま功利主義を放置すれば決して都市計画上で好ましいものとはならない。単なる富者生存は文化的な最低限度の生活という憲法規定を脅かす危機である。住環境の福祉向上が為に次の施策が必要となる。隣棟間隔は、既存の敷地周囲における建造物の採光条件を考慮してはじめて、設定し直されねばならぬ。かと言って利他のみを考慮すれば計画上で支障を来すばかりか、全く建てられない場合すら起こるだろう。よって、利他と利己の中庸を定める適当間隔の規制が改法されるべきだ。しかしこれには都市計画法に新設すべき再開発指定街区が除かれねばならない。なぜなら完全に老朽化してしまった一部の地域についてなどの場合はクリアランス型も有効だからである。例えば、既存の四辺隣地における採光用開口面積に対する高さ制限ならびに離棟距離を、冬至4時間日照の面から原則規定するといった。これには次の注意が必要である。健全な経済投機的開発の福利厚生を図る為には、隣地所有者或いは保有に対する譲歩の方便があらねばならない。
 隠蔽賄賂を防ぐにはこの場合の譲歩勘定そのものを建築基準法ないしは民法に規定してしまう事。すなわち、建築基準法上との矛盾がある場合には、四辺の過半数以上の隣地所有者との対価的折半を可能にする事。