2006年10月29日

分業

「学術家は悲惨である。彼らは清貧に甘んじてすら屡々志を貫く。われわれ経済家の理解にも及ばない狂気の沙汰だ」と考える金満には、現世内の問答にしか考えが到らない哀れさがあるのだ。
 文化人は己の一生を介然虚無に奉献してでも、永世名誉の殿堂によって血統を守るのである。政治家はこのことを作品についてでなく身代により為す。だから業務に全霊を懸けねばならなかった幾多の商人は、彼らがどの程度の福利を成し遂げ得たかだけを慰めに死ぬのだ。それは彼らの威信を少しも揺るがすものではないが。