2006年10月16日

旅日誌

フィルムが巻き戻る。地球と太陽とは関係をこじらせる直前に還る。幾つかの繁栄を見送り、未だ命が芽生えない世界をひらく。混沌として目指す所のない戯れが、事象の合間に絶えざる輪廻を刻む。昼夜が別れる凝瞬ギョウシュンに、有る活力を眺む。
 流れゆく夢中の今よ去り気なく、繰り返し寄せる波のねよ。かねてより約束された宇宙船は来ない。既に予定時刻は疾うに過ぎた。私達は、神に裏切られたのだろうか。
 やがて巨大な恒星は遥かなる時空の渦に紛れて跡形を失くした。何処にも実存の因果は見当たらない。凡ては茫漠たる秩序の撹覧にすぎないのだ。