本能的知能に対する理性的知能、つまり大脳新皮質は抑圧の昇華によって成長した。それは精神という形に還元されて尚、自然。もし人類に今日的地球生態系における存在意義があるとすれば、行動規則に対する多少の自己改良の余地乃ち意識を有することにのみ、ある。なぜならその他に哺乳類における種的差異の特筆事項はないから。故に精神は自然の創作物でしかなく、又それに思考可能なものが超自然であることはありえない。
知能の向上という人類の使命事は、彼らの生来が反自然だからではなく、脱獣的、いいかえれば神的だからだ。よって、人類という種の進化の方向性は知能の目的向上として立ち現れざるを得ないだろう。ここで知能と云う時、それは一元化されうるようなIQではなく、非本能的・理知的な働き全てを云う。