労働者への人間阻害から個人を救済するには、人材主義という考え方を採用すべきだ。これは個人の現在の能力や短期的成果ではなく、人物の成長率を評価基準にするものである。日本社会に終身雇用が有効なのは、会社との間にそのような信頼関係が築かれて来たから。忠義という志を以て社員をまとめることができたからだ。教育において資本経済の闇雲な導入と残存する封建的道徳の枠組みによって生徒が抑圧される場合も同じく、人物主義という形で個人にとっての成長度を評価の基準に置くことでのみ、偏差値教育による人間阻害から生徒を救済できる。またそれらは当然社会全体の効率にも寄与する。