2006年3月28日

宇宙から観じれば、人も微生物に過ぎない。だがそれはミトコンドリアから見れば巨大な化け物である。ビッグバン以来、太陽の命じるままに生活して来た地球星の一味が、どうしてただ生きているだけで偉大になり得るものか。
 考えれば偉大であり得る、というのも随分簡単な話だ。いや、頭のある生物として、我々にとって考えるほど容易な物事は無いとすら言える。人が考えるのは自然だから。驚くべきは考えるともなく生きている人間であって、そういうものどもはどれだけ苦労をしていると主張してもやはり、どこまでも猿の一種であることを免れない。
 社会状況が許す許さぬがあるにせよ、人が人である最低条件は十分に考えるゆとりがある事だろう。でなければ、歩き始めた幼形成熟の猿に宇宙で、どんな威厳を全うし得ようか。回る地球にへばりつき、太陽に吸い込まれるのを待つ天の川銀河の破片にどんな威信があるというのだろう。