2006年2月22日

普遍性

近代文明人の要は科学にあった。特に、根拠となる十進法数字とユークリッド原論的思考とは我々の文明そのものだと考えてもよい程だ。言い換えればそれらが不変にuniversalであると証明するまで、近代文明が宇宙における正統であると主張するのは難しい。もし不完全性定理に立ち返れば、近代の人間精神に可能な限り最も正確であると思われるあらゆる数学も、それを真に証明することはできないだろう。
 哲学的な文明主義が道を全うする為には、飽くまでも普遍性の追求をやめない方針が要る。これへの反作用は浮世の俗の事として捨て置くべきだ。宇宙に居合わせて地球型生命の威厳と栄光を保つものは只、精神の普遍性だけだから。