空を飛ぼうと決意したライト兄弟はついに鳥になったがダ・ヴィンチは夢見たに過ぎない限り、ただ理想するよりそれを実現に移した人はさらに凄い。しかしもっと凄いのは実現を予測してなお、先へ先へと理想をやめなかった人ではないだろうか。そういう人は民族へ永遠に誇りを与え続けていく。だから後生ダ・ヴィンチは天才と呼ばれ、ライト兄弟はくしくも努力家の名前を冠される。矛盾だがそれが歴史の真実だ、と認めなければならない。
考えること、ましてや閃くことは実現するよりもおそらく難しい。命令するのは主人、実行するのは召使いの役目。言うは易し行うは難し。しかしそれを残した国は世界の華でありながら咲かずに萎れたのだ。