逆様に落ちていく人体標本が回転を繰り返しながら無限の終わりを告げている。しかし、鳴り響く雷の間で全ての疑問は溶解してしまう。僕は止まることのない音楽を奏でる球体のどこかで、限りなく広がる青い空を眺めている。
積み上げられる物語の結果に触れる、限界についての思考が僕を取り囲んで行く。そこには正解とか過ちとかは何も無い。ただの冒険がある。
海から吹いてくる冷たい風が君の行き先を破壊する。どれ1つ取っても完成しない戯れの軌跡だけが、あらゆる組織を染め上げる。運動を続ける胎動が君へ新しい子供を宿す。天から激しい針が降り注いで暮らす者達を自滅させて行く。僕は意味合いを失くした空虚な風に成る。そして世界の空中を自由に吹き渉る。
僕は山奥の深い林の中を歩いている。辺りに人影はなく、寒い。死の色が僕を脅かす。しかし、生きて行く。