2005年11月5日

この文章

空から舞い落ちて来たひとひらの欠片かけら、光が地球の雰囲気を形成した。君は銀杏並木の下で、繊細な木漏れ日の中を歩いている。隣を流れる小さな川から聞こえる囁きが掛け替えのない時間を作り出し、それは通りを走る自動車の騒音で壊される。君を含んだ何もかもが自然だと分かる。そしてここには心地よい空間が存在している。
 時はゆっくりとその横を擦れ違う。二人にはどんな接点もない。場所の空気の移動、風を共有したに過ぎない。そこには物語に繋がる如何なる要素もなさそうに思える。どんな始まりもないし、劇的な展開も恐らくは無いままに人生の匿名的な一ページが過ぎ去って行く。
 我々はけれども、ここではこの文章を支配している。というより少なくとも筆者としての私は、どんな時空間をも形成することができる。