2024年9月9日

魂のほかに

この世には君をいてほかに尊いものはない
さも万物の真上に輝くあの星の様に

もし宇宙全体が崩れ落ち
今や何も残らなかったとして
さもなべてを受け止める闇の大穴の様に
この世には君を措いてほかに美しいものはない

もし時という時が止まり
永遠と呼ぶにはあまりに短いあいだ
君の存在が地上に記録されているとして
自由はその意義を失い
自分を釘づけにしてしまう
さも捕らえられた蝶が逃げ場もなく
この小宇宙の内に産まれ生き死ぬかの如く
すべては君の魂を措いてほかにないのだから