2024年6月11日

心の印

それはまるで偶然の様だった

あなたの言葉の一つずつに
永遠に続くかなしみの色をみてとる時
我々にはこの瞬間が
まるで宇宙にこぼれてきた雨粒の様に

消えていってしまう我々の存在すら
無限に続く筈のこの戯れごとのどこかに
眠っているかの様に感じられた

そして宇宙がもうあとかたもなく
最後に残るのが我々の吐息だけだとして
死んだ方がいい人々のあとには
我々がわした心の印だけが残る