2024年3月21日

博士制度と学の乖離の例

夏目漱石が東大博士号を断って言った通り、今の博士制度は害が大きく、それをもつと猫も杓子も途端に先生と呼び崇める悪風がある。
 甚だしい例は、成田悠輔が生存権侵害で老人憎悪・強制虐殺論、三浦瑠麗が良心兵役拒否権侵害の皆兵論、茂木健一郎がコロナ禍賄賂五輪有観客強行を唱えても拝む衆愚の姿だ。
 彼らは人間性こと人文学の習熟度の面で明らかに無学だったが、真の哲学博士号についても同じ暗面がある。学園主義は一般に同時代の学会常識信者の互助組合か或る範型教化の為の形式的制度にすぎず、英知はその外にあるかもしれないからだ。ソクラテスやガリレオの例は、学が学園位階外にあった証である。