恐らくこの世に僕より孤独な人はいないのではないか
それというのも自分に似た人が誰もいなかったからだ
自分が一番似ていると感じた人も自分とは違って
ある種の不貞ともいえる悪徳をもっていた
だから僕は僕と似た人が一人も見つけられなかった
強く美徳を持つ人で似た事があるのだろうとは思うが
色々な本を読んだり世間をみていても
自分とそっくりの人というのは存在しなかった
だから僕は人類史に確実に残る人物で
僕の足跡は後世によって研究される事になる筈だ
何しろ自分は神を目指した人で
それは必ず到達できない目標ではあったが
その為に全てを犠牲にしてきた人というのも
世界史で先ず見た事がなかったからだ
アリストテレスが僕ほど孤独だったとは聞かない
彼は友情について語っているので
恐らく学者仲間はいたのだろうと思う
だから世界で最も高い所に進もうとしたのが僕で
それに伴う或る氷山の頂点的試練があるのではないか
それがこの恐ろしい孤独の原因なのではないか
中学のときやりたくもないのに組み体操させられ
みんながピラミッド的に下で四つん這いの上に
背中をつぎつぎふみあがって頂点に立たされた
友達を踏むのもやりたくない上にこわいから
泣いて拒否したのにやらされた
本当に日本の学校って拷問だとおもう
そんな地獄が終わればいいのは事実だが
あれの頂点に立った時の感覚と似ている気がする
まさか絵の奥に哲学があり
その総合哲学を極める事は
辺りに誰もいない中でひたすら頂点をめざし
遂には人類のすべてもその記憶をも振りきり
まるで世界最高の山をひたすら上へ
最早辺りは霞んで何も見えなくとも
なお徳の理解の連鎖を辿って上へ進み続けねばならず
当然ながら自分の魂しか何もなくなっていき
世界で最も孤独になる事とは