2024年3月11日

性格の科学

性格の悪い人ばかりみた。そして性格の悪い人々というのは、単に他人の立場を思いやる能力の欠如に加え、他害的性質を備えている点で攻撃性がある事を意味している。その2つは被っているが似ていない所もある。
1.思いやりなさ(低い他者理解力)
2.他害的な攻撃性
この2つを同時に兼ね備えている人は害がある人物だ。しかも強烈にかねそなえていると明らかに公害の人物となる。
 裏を返せば、
A.思いやりの深さ(高い他者理解力)
B.利他的な防御性
をもっていれば、それは性格が良い人と判定される。どちらも兼ね備えていればなおよく、高度にかねそなえていると聖人にみられる。

 但しこの問題の複雑さは、愚かな人々は表面的な利他性と深い利他性を混同しがちな事だ。深い利他性は道徳的啓蒙を意味しているので、愚かな人々にとっては認知不協和をもたらし不快感に感じられる。だが賢者には賢ければ賢い人であるほど、その種の深い利他性、つまり道徳性は敬意をもたれることになるだろう。
 また裏を返せば、不徳さが高ければ高いほど他害性は強くなるので、悪魔と思われる人々は深い他害性を持っていると考えられる。

 性悪の集まっている点で国際的に有名なのはそういう性質にあてる特別な語彙「イケズ」をもつ山背市(旧京都市)か、王族すら種族主義者で非難にあっているイングランドどちらかと思われる。両者とも封建時代が長く、身分差別の元で独特の反感がこもり、それが婉曲表現を好んで使う性悪さとしてあらわされる様になったのだろう。だがこと山背側にかぎっては、すでに中小都市になっていて更に衰退が加速し、風習が広く荒廃しているだけでなく、最高位の人々はみな東京に移住してしまったのでもはや身分制が成立しないため婉曲表現すら使わず、ただ性格が悪いだけ、という元も子もない現象がみられる。しかも千年以上つづく根強い差別の風習だけは残ってしまった(以上の山背事情はたとえば井上章一『京都ぎらい』に詳しい)。
 これらの現実は、山背市の日本で最も急激な人口減少や財政破綻寸前の行政にも直接反映されているとみられ、要するにイングランドより一層、意地悪さ、いわゆる「イケズ」を強調する人々が現れやすい条件下にある。
 ただでさえこういった条件にあれば、不徳さも兼ね備えた思いやりない他害行動をする人が現れるわけで、それは荒廃した都市の没落と帰一なのだろう。適応行動としてある行動が評価されるとすれば、エンゲル係数が最大級の生活難書庫)で、2021年度から3年連続人口衰退全国最下位財政破綻危機自治体の筆頭に挙がる次世代負担の借金書庫)そして少子化での全国最下位あらそい書庫)とくれば、そこでまともでありうる方が難しいのだろう。つまり、性格のよしあしは、恵まれた環境に生きているかどうかでも、単に遺伝子や心がけだけでなく、必要な適応性として程あれかわってしまうのかもしれない。