2024年1月17日

悪名性資本の分析から導く普遍的貴族義務の理念

1. 最低でも『魏志倭人伝』から明治の民法規定まで日本は一夫多妻の公認されていた地域で、ヘブライズムの影響が今まで比較的小さく、その一般性道徳面が欧米中心主義で説明されない。違いは直ちに劣位を意味せず、文化多様性の点で、オリエンタリズムの色眼鏡により単純に見下しにかかるべきでもない。

2. 性売買(国によっては罪)は、西洋でもオランダのよう合法の国、北欧やフランスのよう買春側も違法で罰則つきの国、その他形式的に違法だが暗に存在している国などの類型があり、単純に「西洋=性売買が違法で悪」構図で語れない。日本は買春側へ罰がなく、違法だが形式的に存在している国にあたる。

3. 主にイスラム教で婚前交渉を禁じる(『コーラン』で死刑相当の)国々・人々に比べ、西洋は主にキリスト教文化圏に入り、婚前交渉を事実上容認しているが *1、現在日本は非キリスト教圏にも関わらず、婚前交渉の容認傾向がある*2 *3。
*1 https://honkawa2.sakura.ne.jp/2459.html
*2 https://honkawa2.sakura.ne.jp/2459.html
*3 https://honkawa2.sakura.ne.jp/2458.html

4. 2100年頃イスラム教徒数がキリスト教徒のそれを人口増減率から上回ると予想され *4、人類の多数派は「一夫多妻容認かつ婚前・婚外交渉否定派」に入る可能性がある。イスラム教義から婚前・婚外交渉にあたる性売買は大多数の国で違法化され、買春側も罰則つきになる可能性が高い。
*4 https://www.nikkei.com/article/DGXLASGM04H0I_W5A400C1EAF000/

5. 現在日本は、他先進国と風習の歴史的経緯が異なり、婚前・婚外交渉の形で性売買を行う人々が男女とも多い *5 。日本は江戸時代、郭通いの美意識を「粋」と称揚、京都等の舞妓・芸妓社会も特に差別されないよう、性産業従事者や利用者が性道徳面で貶められない傾向の国である。
*5 https://honkawa2.sakura.ne.jp/2263.html

6. 平安期の『源氏物語』が姦淫本であると知りながら本居宣長が『源氏物語玉の小櫛』でその節操のなさを却って賞美したよう *6、日本の美意識の中には性道徳を宗教的基準や主意主義に則らず、より深い次元の自然な人間愛に基づき理解・包摂しようとする柔軟さがあるとも解釈できる。
*6 https://text.yarukifinder.com/kobun/4449

7. 明治期、クリスチャンの新渡戸稲造が、宗教教育がない日本でなぜ道徳が教えられるか米人に問われ戸惑った、と彼の著『武士道』に記述した様、日本では一般に性教育が義務教育の保健体育で性別の理解程度しか行われない。この為、その多数がヘブライズム式性道徳を持たず、交際は自然に任されている。

8. 2100年までに日本は国際基準に合わせる必要に駆られ、欧米中心主義の様な確固たる驕りもない為、自然の勢いで性売買を買春罰則つきで禁じざるをえなくなるだろう。ゆえ今の民衆性道徳は流動的だが、ロマンチックラブ理想論の欧米基準も離婚率上昇等で破棄されるかもしれない *7。
*7 https://honkawa2.sakura.ne.jp/9120.html

9. 懸案の、東京テレビ芸能界の氷山の一角な乱倫模様は、不倫含む乱婚(婚外交渉や事実上の重婚)や、乱交(ここでは同時か否かに関わらず特定伴侶でなく多数との交わり)を含む形で潜行していると解されるが、同時に、児童対象含む性売買罪も明らかになされてきた。資本による性寡占問題も内在される。

10. 元舞妓kiyoha氏により暴露された京都舞妓界での児童対象含む人身売買罪の「伝統」も、子供の人権侵害だが未解決で、東京だけでなく、日本の大都市圏を主とした性売買基準は、国連基準の人権の常識外にある。国内多数派が自文化中心の都市民な以上、これらの人権侵害解決には、国連介入が必要である。

11. 資本による性寡占は、主に何らかの資本家(有名さ等の社会関係資本含む)が事実上の「時間差一夫多妻」をとる形で行われ、他国の王族ら含むセレブ業界と類似だが、この問題はメディアによるスキャンダル炎上の形で部分的に解消されて行っている。悪名の名士は、乱倫の悪評を性資本に交換している。

12. 悪名で得た性資本には、世間の非難という厄介さが付きまとい、変換時エネルギー効率が悪い面があり、得てして刹那的な性的興奮度のブーストに役立つにすぎない。この点では薬物性交と似た諸刃の刃にすぎず、長期的にはその悪名名士らを没落させる傾向がある。ジャニーやサヴィルらは逃げ切りの例外。

13. なお、死後の悪評を顧みると、生前の悪名性資本が乱倫の徒を単なる快楽で恵んでいたとしても、その姦淫罪が資本主義乱用にあたるのは間違いない。事を知って行う悪の享楽が主意主義の面から人間性に反し、良識派や世間の非難に値する事は、サイコパスの脳内ですら必ずや反響していた筈だからだ。

14. エプステインの死は謎に包まれているが、自殺・他殺いづれでも彼の最晩年が極めて不幸だったのは客観視できる事実であろう。彼が欧米の司法や世間に追われる事になった幼児性愛の快楽追求は、現代の国連的人権に反する点で、悪の享楽に繋がっていた。悪名性資本の強者らも似た恐れを隠し持っている。

15. 何らかの倫理基準が過去そうだったよう将来変わるとしても、悪名性資本の強者らは、もちあわせた膨大な快楽追求の力を現代の倫理規範の内部にとどめておく事が難しい、悪の誘惑に弱い人格とみていい。したがって、全資本家は力の影響をかえりみ、普遍的な貴族義務へ多かれ少なかれ殉じる必要がある。

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上記論考で参考にしたサイト・文献リンク集:
https://honkawa2.sakura.ne.jp/2318.html
https://honkawa2.sakura.ne.jp/2263.html
https://honkawa2.sakura.ne.jp/2265.html
https://honkawa2.sakura.ne.jp/2459.html
https://honkawa2.sakura.ne.jp/2458.html
https://honkawa2.sakura.ne.jp/2314.html
https://honkawa2.sakura.ne.jp/9120.html
https://honkawa2.sakura.ne.jp/2777.html
https://www.bbc.com/japanese/47932685
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2016/04/post-4865.php
https://www.aozora.gr.jp/cards/001477/files/50926_41514.html
https://text.yarukifinder.com/kobun/4449
https://comemo.nikkei.com/n/ne359f4cb837e
https://www.j-cast.com/kaisha/2018/06/30332049.html?p=all
https://www.nikkei.com/article/DGXLASGM04H0I_W5A400C1EAF000/
https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/00224499.2023.2178614
https://www.aozora.gr.jp/cards/000065/files/393_1765.html
https://bunshun.jp/articles/-/59317